On Dangerous Ground 危険な場所で

Nicholas Ray  1952   82min

Howard Hughes によって、10分ほどカットされたというが、それでも痺れる細部に満ちた傑作であることに変わりない。”They live by night” “In a Lonely Place”同様、孤独、孤立が中心主題となるNicholas Ray の初期。2000年ごろMoMA のレトロスペクティブで固め打ちしたとき以来の再見だったけど、演出のシャープさ、短いセリフのインパクトには惚れ惚れする。冒頭、(主人公Robert Ryanではない、脇役の)刑事の妻が拳銃を手に取り、夜勤に出る夫の肩に拳銃をかけてやるショットから始まるのだが、彼の次に、10人ぐらい子供が貧相なアパートの部屋で西部劇をテレビで見ている家の主人である太った警部の出勤支度を示し、最後に一人で夕飯を済ませ残飯をゴミ箱に捨てる主人公Robert Ryan を登場させ、三人の刑事が夜、警察に一斉に出勤する躍動感を映画に導入するとともに、男やもめ一人暮らしのRobert Ryan の孤独、さらに刑事は中産階級の下の下で、ロクな暮らしも出来ないという点を簡潔に提示してる点が見逃せない。時間的余裕も金もなく、仕事の多忙さと煩雑さがそのまま暴力を加速させているかに見えるRobert Ryan は、捕まえた悪人を徹底的にぶん殴り、上司、同僚から危険視されるようになるのだが、犯人逮捕のために情熱を傾注しているからこそ、つい拳に力が入ってしまうというのではなく、いかにも孤独な激務に追い詰められ、病的に暴力を加速してしまっている感じの彼の余裕のなさは、Rayの傑出した演出力と言える。太った警部が「刑事の仕事も、他の仕事となんらかわりない。俺たちはいつでも代わりの効く存在だ」と言い放ち、(夜中のパトカー出動は勢いのある、キレたショットでしっかり押さえていると言っても)刑事という「労働」の脱神話化が行われているのだが、このイメージの脱神話化がNicholas Rayを語る上で重要な視点となるような気がする。
また、盲目のIda Lupino とRobert Ryan の視線を決して合わせることのない対話がこれまた素晴らしい。
“Sometimes people who are never alone are the loneliest. Don’t you think so?”
“I don’t know. I never thought it out.”
“I think you have. Sometime rather most lonely people try to figure it out… about the loneliness.”
“And you think I’m the one of them?”
“May I touch your hand?”

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