デリー3日目 Ocian Cine-fan Film Festival

DSC_3616 200910242219_641 DSC_3573

DSC_3696 DSC_3686 DSC_3673

「谷中暮色」上映の翌日はプレス・カンファレンスとインタビュー数社。昨日書いたLatika さんが司会のカンファレンスは盛況。映画は見ていないけど取り敢えず来たという記者の失礼な質問をばっさりと斬り、他の質問へさっと移る彼女の司会ぶりは聡明そのもの。いくつか受けたインタビューで心に残ったのが、Indian Autuer 誌。インドのFlower Wild と云ったところで、Film CommentRougeとも提携しているシネフィリー誌。自作の話から、ペドロ・コスタ、ホークス、侯孝賢と多岐にわたる。
午後、少し時間が空いたので町に出る。値段は全て交渉で決まる世界はなかなか馬力がいる。1500ルピーと云ってたのが、実は半分以下の500ルピーほどで買えるそう。しかし、それは百洗錬磨のデリーっ子の話で、僕の場合4割引にもっていくのが、精一杯だった。

デリー2日目

200910242221_644DSC_3610DSC_3647DSC_3809DSC_3547DSC_3795

 

人に勧められ、ボリウッド制作の映画「Poison」(監督Q, 2009)を見る。どうしても耐えられず、途中で退席。日本であろうと、アメリカであろうと、映画とは何かを全く考えたことのない作り手の画面は見るに堪えない。それはボリウッドとて同じだと思う。溝口とホークスが好きだというパキスタンのNETPAC批評家氏は、ボリウッドにはレビューは山ほどあるが、批評が存在しない。だからボリウッドから世界的な映画作家が育たない、間接的な原因だと云っていた。昼過ぎから「谷中暮色」の上映、Q&Aを行う。なかなかの盛況。司会のLatika さんは前年までこの映画祭のディレクターだった人で、キレる才人。国際交流基金から予算を引っ張ってきて、日本のOzu本を翻訳したいとのこと。)その後、韓国の「Daytime Drinking (Not Sool)」(Noh Young-Seok監督、韓国ジョンジュ映画祭観客批評家賞)を拝見。山下敦弘のような、どんなキャラクターをも魅力的に輝かせる演出力は素晴らしい。上品なドライ・ユーモアで、デリーの観客も大爆笑していたのは、映画の力そのもの。化ければ、カウリスマキになると思う。

Delhiにて 

200910241747_638

インドに来ている。映画祭に呼ばれた為だが、深夜に首都デリーのインディラ・ガンディー国際空港に着き送迎車でホテルに運ばれただけなので、実感はまだ全くない。オープニングフィルム(「Hooked」by Adrian Sitaru, Romania)の女優Maria Dinulescu と同席になり朝食を共にしたが、映画祭はどこへ行っても、その国以外の外国人ゲストと屯することが多いので無国籍の感覚のまま、いつの間にか帰国していることだってある。なんとしてもデリーを体験すべく、今日は一人で散歩しようと心に決めた。(文芸誌の〆切が一つあるが、それはどうすんのよ?)
Big River主演の一人Kavi Razが今ボンベイに来ていると、電話をくれた。ぜひ会おうよ、となるがデリーからボンベイは1400キロも離れているそうだ!思っていたよりもインドは広い。彼も明朝次作の打合せがあり、デリーへは来られないとのこと。映画の現在を生き続けるかぎり、昔話に浸っている場合ではないということで一致し、健闘を誓い合った。