谷中暮色へ寄せられたコメントーその2

November 22, 2009 by Atsushi Funahashi

谷中の谷の底から見上げる五重塔。
この映画には救済の感覚がある。

中沢新一(人類学者)

 

この映画はアラン・レネを想起させる。

Raymond Bellour,  仏TRAFIC 誌

 

心に迫る作品。日本版8ミリ『ニュー・シネマ・パラダイス』だ。

米誌 ハリウッド・レポーター

 

ノスタルジアで語られがちな谷中だが、住人たちは今と直面して苦闘している。この映画を観て、観光スポットとしての浅慮しかなかった自分の甘さを恥じた。

澤井信一郎(映画監督)

 

この魔法のようなリアリズムと優雅さは衝撃だ。『谷中暮色』は凡庸なわかりきったことは語らない。多くの映画がドキュメンタリーとフィクションを混成するが、その二つの境界をこの映画ほど見事に超越したものはないし、目眩を覚えてしまうほどだ。終幕したとき、これが実在の場所へのオマージュなのか、実在の場所に想を得た重層的なフィクションなのか、それともそのフィクションによって緻密にかつ決定的に象られた現実の記録であるのか、見極めるのはもはや不可能である。

クリス・フジワラ(映画批評家)

 

谷中のおじいさん、おばあさんの表情や仕草が最高。

想田和弘(映画作家)

郷土の記憶と映画ー椎原晶子さんゲストトーク

November 20, 2009 by Atsushi Funahashi

11月19日(木)『谷中暮色』上映後、地域プランナー椎原晶子さん(NPOたいとう歴史都市研究会)とのトークイベントが行われました。この秋、地元谷中の写真展「谷中から見つめる昭和30年代」のトークイベント以来、舞台裏でいろいろご尽力いただいた椎原さん。五重塔に限らず、自分の住む町や郷土、血縁等、失ってから始めてその価値を思い知るもの、その姿を刻み残すのが映画ではないか、という対話でした。

歴史的文化財の意味

November 17, 2009 by Atsushi Funahashi

17日(火)は東京藝術大学名誉教授前野まさるさんとのトークイベント。

かつての谷中のランドマーク五重塔の歴史的、宗教的、建築学的、民俗学的意義を掘り下げていただいたお話は、興味深かったですね。大地に根深く染み着いている江戸の記憶と現代東京の若者の風俗とは全く無関係なようでいて、深いところで結びついている。そう考えるようなったこの頃です。

万田邦敏監督との対話

November 15, 2009 by Atsushi Funahashi

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14日万田邦敏監督(「接吻」「ありがとう」)をお招きしてトークイベント開催。処女作「echoes 」公開時にもゲストで来ていただいた万田さんには、ミュンヘン国際映画祭で始めてお会いした仲。その時は「unloved」(カンヌ映画祭レイル・ドール賞、エキュメニック新人賞受賞。2002年公開)で参加されていたのですが、拝見して驚愕しました。また「接吻」についても拙文を寄せたことがあります。(「厳かな冷たさに向けて」Flower Wild 2008年10月
「echoes」,「Big River」, 「谷中暮色」と、<異境>を見つめる視点から舩橋淳は映画を撮り続けてきたという万田さんの指摘は的確というしかなく、谷中が東京の真ん中にある辺境の地であるという、新たなテーゼが見えてきました。

「谷中暮色」に寄せられたコメントーその1

November 13, 2009 by Atsushi Funahashi

過去をめざす視線がとらえがたい現在の先端でぴたりと焦点をむすぶ演出は秀逸である。東京の街がなお魅力的な被写体たりうることを実証してみせた貴重な作品と断言したい。

蓮實重彦(映画評論家)

 

炎上する五重塔の映像以上に、「不在」であるはずの塔が、
この町に住む人たちの心にいまも確固として存在していることに心を打たれた。
この映画が描くのは塔へのノスタルジーではなく、その「不在」の大きさである。
仲俣 暁生 (文芸批評家)

 

墓石を洗う老女の手、車椅子で歌う男の指に挟まれた煙草、自転車を駆る女・・・

舩橋淳は、それらのうちに降り積った記憶の襞を経巡りつつ、やがて五重塔を包む炎を、いまここに燃えたたせる。

上野 昂志 (評論家)

 

ドキュメンタリーとドラマと劇中劇が見事に溶け込んだ美しい映画。とくに普通の住民である演者加藤勝丕、小川美代子の人生の重さが胸に刻まれる。あとを継ぐ若い世代は邪険にされても,振り切られても彼らを追いかけなくてはならない。
未来とはいつも、歩いて来た道の終わりからはじまるのだから。

森 まゆみ (作家、雑誌「谷根千」編集人)

 

過去と現在、ドキュメントとフィクション、この世とあの世。谷の町は映画に境界を幾重にも用意する。
男の子・久喜(ひさき)の隙のない目つきが静かな緊張感を孕んでいる。その目つきが境界に支柱を通したのち炎で貫くのだ。

鈴木 卓爾 (俳優・映画監督『私は猫ストーカー』)

ウェブ映画評いろいろ

November 13, 2009 by Atsushi Funahashi

「谷中暮色」についてウェブ映画評もいろいろ出てきています。

わくわくCINEMA PARADISE

映画評論家服部弘一郎氏の速映画批評

キネマ旬報にインタビュー掲載

November 13, 2009 by Atsushi Funahashi

キネマ旬報11月下旬号の【特別企画】で『谷中暮色』が掲載されました。kinejyunn

建築ジャーナルに掲載されました。

November 13, 2009 by Atsushi Funahashi

建築ジャーナル11月号に『谷中暮色』のレビューが掲載されました。

ぜひご覧になってください。

kenchikujyanaru11

Out of the Past 過去を逃れて

November 12, 2009 by Atsushi Funahashi

800px-OutOfThePastMitchumGreer

Jacques Tourneur   1947   97 min
RKO Studio

Robert Mitchum, Jane Greer, Kirk Douglas, Rhonda Fleming, Virginia Huston.
Daniel Mainwaring (Novel & screenplay)
Cinematography by Nicholas Musuraca

A great example of 40’s film noir with the perfect lighting, snappy dialogs, and ensemble cast of a detective, a gang and a femme fatale. Robert Mitchum’s hardboiled demeanor is a perfect match with the genre, especially with the dark lighting design of Tourneur. Witty lines between Jane Greer and Mitchum as she shifts her side from the gangs’ to Mitchum’s or vise versa is just as thrilling as Bogey’s in “The Big Sleep”. And it gives the ironical, sad beauty to the ending that the deaf and mute boy at the gas stand, who we think as just a sub character, is the only man who has observed  everything – the light and shadow of the gangsters’ fated lives. It’s a true masterpiece!

まさに傑作。ローバート・ミッチャムの押し黙った、ふてぶてしい巨体に、ダブルのトレンチコートがこれほど似合うのは、その中に秘密の書類や銃など、サスペンスのキーとなる小道具が隠され、運ばれるからだろうか。探偵である彼とギャングたち(うち一人にまだ二作目のKirk Douglas も!)との皮肉や憎まれ口の応酬、ファム・ファタールのJane Greer との裏取引と恋の駆け引きが、ウィットの効いたセリフで決まりまくるのだから痺れてしまう。ターナーの光の演出は完璧で、ミッチャムが画面の隅にフレームインし、敵に分からぬよう忍び込むときの漆黒の影には感動するしかない。黒が黒いのだ!そして過去に囚われ、運命の闇に引きずり込まれる男と女たちは、やはりというか自縄自縛の結末へと向かうしかないのだが、そんなとき車のクラクションが聞こえない唖のガソリンスタンドの青年が、この闇と光をどの人物よりも深く洞察しているという点が、作品に味わいを与えている。

TOCHKAのイベント、上野経済新聞

November 10, 2009 by Atsushi Funahashi

遅れましたが、10月30日付けの上野経済新聞に掲載されました。以下、抜粋

作品ではフィクションとドキュメンタリーが融合した「ドキュ・フィクション」という手法を用い、ドキュメンタリー部分には、谷中の風景はもちろん、五重塔再建を唱える加藤勝丕さんや日蓮宗常在寺で墓守を務める小川三代子さんら谷中の人々も多数登場する。

また松村浩行監督「TOCHKA」のトークイベントへお邪魔しました。その模様は、こちらのブログでどうぞ。